4月から新看護師の皆様、働き始めて1週間が経ちましたが、
新人の皆さんは施設の雰囲気には慣れてきましたか(^^)?
夢見た職場で、テキパキ仕事をこなす先輩の背中に
いつか追いつきたいと、奮闘している真っ最中でしょうか。
今はまだ先輩とペアで動いている皆さんも、施設によっても差があると思いますが、
夜勤に向けて慌ただしくその準備を進めていく日が近づいてきます。
そこで、クリティカル領域で10年以上の勤務経験を持つ僕が
1年目で勉強していて役に立ったことや覚えておいた方がよいことを
僕自身の経験を混ぜてお伝えしていきたいと思います!
第1回たまきち道場 「実践的!実臨床BLSの4つのポイント!」
第1回目のテーマはやはりBLSですね!
BLS(Basic Life Support)とは、一次救命処置のことで
AHA(アメリカ心臓協会)による心肺蘇生の講習会として有名です。
日本では日本ACLS協会などで受講ができます。
残念なことに、院内急変(予測していない状態変化)はどれだけ予防をしても
患者さんの病状や時間帯、場所に関係なく生じてしまいます。
そんな時に新人の皆さんが何をするべきか、何を求められているのか、
実臨床で押させておくべきBLSの4つのポイントとともに、心構えについても説明しています。
自身を持って働くため、夜勤に備えるため、一緒に勉強していきましょう!
実臨床BLS4つのポイント
コロナ禍の現在、外部研修への参加はハードルが高い場合もありますが、
BLSテキストやWeb上のガイドラインでも、その概要を学ぶことができます。
ここでは新人看護師が覚えておくべき以下の4つのポイントをお伝えします。
- 応援要請のためのコール番号
- 呼吸の確認は口元ではなく胸郭をみる
- キーワードは、強く速く絶え間なく
- 必要物品の設置場所
応援要請のためのコール番号
患者の反応がないと思ったら、まずは応援要請を行います。
応援要請のコードは就職した施設により様々ですが、「コードブルー」は多くの人が
聴いたことがあるのではないでしょうか。このコードを発動させるための院内番号は
必ず覚えておきましょう!実際にやってくる医師は山ピーではなく、筋肉やひげがモリモリの
おじさんが多いですけどね(^-^;
呼吸の確認は口元ではなく胸郭をみる
応援要請が済んだら、患者の状況を評価するために呼吸と脈を確認します。
その際、呼吸は胸郭が挙がっていることを目視で確認することに注意します。
口元は動いているから呼吸があると思っても、実際は胸郭が動いていない偽物の
呼吸があり、これは「下顎呼吸(死線期呼吸)」とも呼ばれます。
このため「正しい呼吸」かどうかを意識して、呼吸を観察する姿勢が大事ですね。
僕自身、現場にかけつけた時に「呼吸はあります!」と報告を受けても、よく見たら
胸郭は挙がっていない…コレ止まってるよね…、なんてことは少なくありません。。。
「下顎呼吸」、覚えておきましょう!
強く速く絶え間なく
反応・呼吸・脈拍がないときは「心肺停止状態(CPA)」と判断し、
胸骨圧迫を始めます。特にAHA(アメリカ心臓協会)によるBLSでは、
胸骨圧迫は、
- 圧迫の強さ
- 圧迫の速さ
- 中断時間を最小限に、
- 圧迫したらしっかり元に戻すこと
- 圧迫する位置
上記5つを満たした「質の高い胸骨圧迫」が救命率を上げるとされています。
僕の場合、
-
- 圧迫の強さでは、5-6㎝の深さで、
強く!
-
- 圧迫の速さでは、100-120回/分のスピードで、
速く!
-
- 中断時間を最小限にし、
絶え間なく!
上記赤字のように、いつもこの3つのキーワードを念頭に、スタッフ教育を行っています。
1つ目の押す強さでは、5年おきの更新毎にその質が検証され、
押しているつもりでも必要な深さまで押せていないことが明らかになっています。
2つ目の120回の速さというと、120bpmの曲を検索するといいのですが、
僕のおすすめはマイケルジャクソンのスリラーですねー笑
スリラーはおよそ120bpmで、「Cause this is thriller, thriller night!」と
頭の中で歌いながらリズムをとるのもいいかもしれませんね!
絶対に蘇生させるぞ!という熱い情熱がよい結果に繋がることを祈って・・・
3つ目の中断ですが、中断は意外と様々なタイミングで生じることがあり、胸骨圧迫の交代のときや、
背板を入れるとき、挿管をするときなどが多いのではないでしょうか。そのような場合でもなるべく
10秒以上中断しないことを意識しましょう。
4つ目については、心臓はポンプの役割を果たすので、1回1回しっかり元の位置まで圧迫を
解除し、再度血液を充満させることが重要なためです。これをフルリコイルと言います。
5つ目については、位置はあまり悩まず胸骨の下半分と覚えておくといいですね!
必要物品の設置場所
応援時には3つのアイテムが必要で前述の緊急コードの発動の他に、
「救急カート」と「除細動器」があり、これらを現場に集める必要があります。
施設によりその設置場所は様々だと思いますが、これを読んでいる新人看護師の皆さんは、
その位置をパッと思い出せますか??
思いつかない場合は、明日すぐに先輩に確認してみましょう!
新人看護師の心構え
以上が実践的なBLSの4つのポイントになりますが、最期に新人看護師の皆さんへ心構えをお伝えします。
急変対応は避けては通れない!普段から訓練(イメージ)しておくこと!
いつか必ず患者急変(予想していない変化)に直面する!
脅すようですが、看護師として働くからには
いつか必ず患者急変(予想していない変化)に直面します。
このため急変対応は避けては通れないものであると考えて、
日頃から勉強の合間にでも、自分の動きをイメージしてみるとよいです。
最初のうちは急変対応以外にも様々なことを学習すると思いますが、
夜勤が始まる前に動き方のイメージができると、自分の自身にもつながります。
新人看護師の役割!最初のアラート(警報)を鳴らす役割を果たすこと!
先輩看護師は完璧な対応を求めてはいない!
先輩看護師やプリセプター、病棟管理者は新人のうちは、
完璧な急変対応を求めてはいません。
まずはしっかり患者さんを観察し、普段と違うことに気づいて(これが大変ですが…)
ペアの先輩に伝えてもらえたら十分です!様々な考えのスタッフがいるので、
必要以上を求めてくる先輩もいますが…僕は新人からいつもと様子が違うことを
報告してもらえたら「報告ありがとう!ここからは一緒に対応していこう!」って返しますね!
ただ目の前の患者さんが声掛けに反応もなくて、
すぐに蘇生が必要な状態だったとしたら、
その場を離れて先輩に報告に行ってしまうのは厳禁なので、
患者さんの側を離れずに応援を呼ぶようにしましょう!
せーのっ「誰かきてくださーーーい!」ってね。いやマジで笑
今回はここで終わりです。
長文読んでいただき、ありがとうございました。
第2回以降は、患者アセスメントについてお伝えしていく予定です。
皆様、お疲れ様でしたー(#^^#)
たまきち
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