【新人看護師必見】呼吸数のボーダーライン!安心できるバイタルサインとは?ー第4回たまきち道場

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みなさんこんにちは!たまきちです。

皆さんは患者さんと接する中で「呼吸数」はチェックできていますか?
呼吸数はそれ単独で患者さんの状態を示す重要な指標なのですが、残念なことにその記録が抜けていることも多いものです。。。今回の記事ではクリティカル部門経験15年のたまきちが、呼吸数の2つのボーダーラインについてお伝えします^^
結論として、2つのボーダーラインは22回/分以上30回/分以上の2つです!1つずつ説明しますが、「読む時間もないっ」という方はこの数字だけでも覚えておきましょう笑

その1、呼吸数22回/分以上で黄信号!

教科書的な呼吸数の正常値は12~18回/分で、20回/分以上は頻呼吸とされています。20回/分はおよそ3秒に1回の呼吸数で患者さんの呼吸数に合わせて自分も呼吸してみると意外と苦しくなることが実感できます。「今日は(ハァ~)なんだか(ハァ~)苦しいです(ハァ~)」なんて感じで文節の間にひと呼吸入る状態ですね。この頻呼吸は臨床の多くの場面で見かけるため、そこからしっかりバイタルサインを測定するきっかの一つになりますね。ですが、今回はボーダーラインとしての「22回/分以上」これを押します!
皆さんは敗血症という疾患をご存じでしょうか。以前は感染を契機とした全身の炎症反応とされていましたが、現在は感染を契機とした臓器障害と定義が変わってきています。

敗血症は感染を契機とした臓器障害

敗血症は入院患者全員に発症し、しかもショックから死に至る危険な疾患であるため見逃せませんね!そこで一般病棟や救急外来で重要視されているのが、呼吸数、血圧、意識レベルの3つで早めに敗血症を疑いましょう!という考え方です。
これはqSOFA(クイックソーファ)スコアと呼ばれ、1⃣呼吸数22回/分以上、2⃣収縮期血圧90㎜Hg以下、3⃣意識レベルの低下(GCS15未満)のうち2つを満たしたら敗血症を疑いなさい(つまりDrコール)というものです。でましたね、呼吸数22回/分!

    qSOFA(クイックソーファ)スコア 1個1点

  • 呼吸数22回/分以上
  • 収縮期血圧90㎜Hg以下
  • 意識レベルの低下(GCS15未満) 2点以上で敗血症を疑う

興味のある方は日本集中治療医学会HP、日本版敗血症ガイドラインをぜひ覗いてみてください^^b

その2、呼吸数30回/分以上で赤信号!!

 

頻呼吸は全身の酸素需要が高まって、酸素共有が追い付いていないことを表していますが、30回/分以上となると患者急変のリスクが高まります。2秒に1回なので、自分でやってみると・・・はい、きついですね(^-^; 訪室時にすでに患者さんの呼吸が止まっているなんて場合もあると思いますが、そんな時はBLSについてまとめたこちらの記事もぜひ参考にしてみてください!

呼吸数30回/分について掘り下げていくと、1994年にFlanklinが発表した急変(心停止)前に出現する徴候に関する論文の中に、頻脈、血圧低下、意識低下の他、呼吸数30回/分以上という項目があります。また災害時のトリアージでは、呼吸を看る際に30回/分以上は赤タグ(最優先治療群)になりますし、最近では新型コロナウイルスの重症度分類でイギリスや中国のガイドラインでも呼吸数30回/分以上でさらに患者の重症度が高いと判断する材料にもなっていました。

頻呼吸はそれ自体で急変の徴候として考えるべき素晴らしい指標といえるのですが、記録が残らない理由にはその計測方法に時間がかかることが関係していると日々感じています。様々な意見があると思いますが、この点については、1⃣まずはざっくりと呼吸が多いかどうか把握することと、2⃣自分も患者の呼吸数に合わせてみることをおすすめします。

1⃣まずはざっくり呼吸が多いかどうか把握する、2⃣自分も患者の呼吸数に合わせてみる

要するにすべての患者の呼吸数を1分間測定するなんてことはせずに、1⃣でなんだか呼吸が速いなーとか、2⃣で呼吸を合わせると自分がきついなーって感じた時にしっかり評価していけばいいという考えですね!これは同じ施設で勤務する救急医もやっている方法なのでオススメです!

今回は、呼吸数はそれ自体が患者の状態を示す指標であり、22回/分以上と30回/分以上の2つのボーダーラインを考えていきましょう!という内容でした。
業務に疾患に先輩の指導に、日々神経をすり減らしている新卒看護師の皆さんには時間短縮のコツを、既卒看護師の方には急変を防ぐ技術向上の一助になれたら幸いです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

たまきち

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